電気工事によるコンセント位置最適化-天井コンセントとOAフロア

オフィス内で適切な位置にコンセントを確保するためは、壁面のコンセントだけでは不十分なことがあります。

電源が必要な位置が壁から離れていたり、多くの電力を必要とする機器を使用する必要があったりする場合に壁コンセントからのみ電力を取ろうとすると、どうしても延長コードに頼らざるを得なくなってしまいます。延長コードの多用は、火災のリスクにつながりますし、外観も美しくないので、可能な限り控えたいものです。

そこで、今回の記事では、コンセント位置確保のための手段としてOAフロアと天井吊り下げのコンセントについて紹介します。それぞれの、メリットやデメリットについてもあわせて案内いたします。電気工事をする際に、検討材料にしていただけたら幸いです。

▶目次

1、OAフロア

電気工事によるコンセント位置最適化-天井コンセントとOAフロア
OAフロアについて紹介します。

OAフロアとは

OAフロアは、近年のオフィスでは当たり前になりましたが、オフィスの床を1段上げて床下の空間に配線を隠すことのできる設備のことをいいます。

OAフロアとは「オフィスオートメーション」の略です。
OAフロアで使用するコンセント(延長コード)をOAタップと呼びます。

OAフロアのメリット

OAフロアには、以下のメリットがあります。

  • ケーブルを床下に隠すことができ、見た目をスッキリさせられ、事務作業を効率化できること
  • どこでも必要な場所から電源を取り出せること
  • 電源ケーブルだけではなく、LANケーブルや電話回線など、オフィスのケーブル類全般を床下に隠すことができること

OAフロアのデメリット

一方、OAフロアには以下のデメリットがあります。

  • 天井高が少し低くなってしまうこと
  • OAフロアのために、床を5~10cmほど上げることになります。天井高によって、オフィスの解放感、圧迫感はかなり左右されます。
    一般的に2.5mほどの天井高が確保されている場合にはそれほど圧迫感は感じないかと思います。

    特に、オフィスの新規出店や移設の際には、OAフロアが敷かれていない状態でテナント物件を確認することになるかと思いますので、ビルを確認してOAフロア設置後の天井高をイメージしてみましょう。

  • 設置費用が掛かってしまうこと
  • オフィスに現在OAフロア設備がない場合や、これから入居するテナントの場合には、OA設備工事が必要になります。
    テナント入居の場合、ほとんどの場合、OA工事にかかる費用は入居者側の負担になります。

    また、現状設備が整っていないオフィスをOAフロアに変更する場合には、デスクや機材をいったん別スペースに移動して作業を行う必要があるため、かなり大掛かりな工事になります。

  • 荷重の制限が生じてしまうこと
  • OAフロア化するには、床に教科プラスティックや金属のパネルを敷き詰めるので、荷重の制限が生じてしまう場合があります。
    重機や大型の機材を室内で使用されている場合には、荷重が大きなネックになる可能性があります。

OAフロアのタイプ

OAフロアには、以下の3つのタイプがあります。

  • 樹脂製
  • 樹脂もしくはプラスティックのパネルと支柱が一体になったものを床に敷き詰めていくタイプのOAフロアです。
    比較的コストは安いですが、素材や形状的に安定性が劣り、荷重も期待できません。

  • 溝配線
  • ブロック式のマットを敷き詰めるタイプのOAフロアです。マットにケーブルを通すための溝があり、軽量ながら安定性があります。

  • 支柱調整式
  • 金属パネルを支柱で固定するタイプのOAフロアです。支柱部分以外はケーブルを通せるので、床下部分をかなり自由に使用できます。高さの調節ができるなど利便性が非常に優れている反面、コストは高くなります。

フロアダクト

OAフロアに似た床下の電源にフロアダクトがあります。
フロアダクトは、床面に固定して設置するコンセントのことです。電源ケーブルを床下に隠せる点ではOAフロアと共通していますが、コンセントの位置が固定になるので、将来的なオフィスのレイアウト変更を踏まえて検討した方が良いでしょう。

2、天井コンセント

電気工事によるコンセント位置最適化-天井コンセントとOAフロア
OAフロアと比較すると、用途は限定的であり導入企業もやや少ないですが、天井コンセントを使用してコンセントの位置を有効に設置できる場合もあります。

天井コンセント

一般家庭では、照明器具を取り付けるために天井にコンセント口が設けられますが、オフィスの天井には、照明器具や空調機器をに直接電線を配線します。

したがって、天井にコンセントを設置していないオフィスの方が多いかと思いますが、オフィスを効率化する意味では天井にコンセントを設置することは非常にメリットがあります。

アクセスポイント用

無線LANを用いて、オフィスのネットワーク環境を無線化する際に、電波の中継地点としてアクセスポイントを設置する必要があります。
アクセスポイントは、電波の中継地点となる場所であればどの位置に置いても問題ありませんが、天井に設置したり、天井裏に隠したりすると、邪魔にならず、効率が良いケースが多いです。

アクセスポイントには電源が必要なので、天井壁面や天井裏に電源コンセントがあると非常に便利です。

プロジェクター用

会議やセミナーでプロジェクターを使用する際に、器具を使用してプロジェクターを天井から吊り下げて使用する場合があります。

プロジェクターを天井吊り下げで使用すると、プロジェクター台を床に置いて使用する場合と比べて以下のメリットがあります。

  • プロジェクターよりスクリーンに近い側もスペースとして利用できるので、スペースを有効利用できる
  • ケーブルに引っかかってプロジェクターやパソコンを破損させてしあうリスクが減らせる

しかし、プロジェクターを天井に吊り下げても電源が近くになければ結局延長コードで配線しなければならずメリットが薄れてしまいます。
プロジェクター近くの位置にコンセントがあれば、天井吊り下げのメリットが最大限にいかせます。

天井用延長コードを利用する

例えば、パナソニック製品のリーラーコンセントのように天井から吊り下げて使用することを主な目的とした延長コードを使用することもおすすめです。
この延長コードは、電話の受話器のようにケーブルがカールしており、使用するときだけコンセントを使用する位置まで下すことが可能です。

例えば、共同スペースでノートパソコンを使用したり、ちょっとした機器の電源を取ったりしたいときには、延長コードを地面に這わせるよりも、こうした流動性のある器具を使用すると効率的です。

天井コンセントのデメリット

天井コンセントのデメリット用途が限定的なことです。

また、最適な位置にコンセントを設置できれば良いのですが、特に延長コードを使用する場合にはピンポイントで使用しなければ逆に邪魔になってしまうため、オフィスのレイアウトを制限してしまう可能性があります。

3、まとめ

この記事では、コンセントの位置を有効に活用するための方法として床下のOAフロアと天井のコンセントについて紹介しました。

電気工事の際にコンセントの位置を全体にまんべんなく設置し偏りが生じないように工夫することは重要ですが、どうしても欲しい位置に電源が不足してしまったり、電源が届かない位置が生じたりしてしまうものです。そのようなときにも、延長コードやタコ足配線にはできる限り頼らずに対処したいものです。

その一つの方法が、今回紹介したOAフロアと天井コンセントです。限られたオフィスのスペースを有効活用するために、コンセントの位置の選択肢を一つでも多く持っておきましょう。

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